肯定すること
誰にでも「理想型」があります。人生の目標といった大きなものでなく、あわてずに電車に乗る、笑顔であいさつする、ショッピングで上手に品物を選ぶ、といった日常的なことにも理想型があります。
でも理想型って、自分にとって最高の状態です。なかなか100%満足するということがありません。多かれ少なかれ不満が残ります。たまにうまくできると、「もっともっと」なんて考えるものです。
これは健全で前向きな気持ちがあるからですけど、不満な部分を考えて自分にダメ出ししすぎると、ちょっと不健全なことになります。
だから自分をマイナス評価してしまったとき、5回に1回でも10回に1回でもいいから、それを肯定形で言い直したり、プラスのイメージを追加してみることをおすすめします。
例えば「また失敗した」という言葉が浮かんだら、「あはは、やっちゃった」と軽く流したうえで「次は大丈夫だね」という具合です。「あ~あ、やっぱり」なんていうのは、最悪です。だって、「思った通りダメだった」=「次もどうせダメだ」という思いを、自分自身で勝手に強めてしまうのですから。
注意事項を2つだけ。 1つは、ヘンな言い訳をしないことです。足りなかった部分を改善するイメージが、全くありません。もう1つは、毎回やろうとしないことです。規範の中で生きている私たちは、「できて当たり前」みたいなイメージを持っています。それこそが向上のエネルギーですが、自分を必要以上にいじめないことが大切です。10回とも言い直すのではなく、10回に1回だけ言い直すことができた自分を、手放しでほめてみましょう。