義務感
社会生活において義務、つまり「自己の立場に応じてしなければならないことや、してはならないこと」が個々の行為や状況において存在すると認識する気持ち。
一般的に使われる語だが、「義務感」そのものは掲載されていない辞書がある。
社会人、つまり社会を構成する一員として活動するうえでは、法律的な拘束を受けます。また宗教や道徳・倫理上、「行うべきこと」「行ってはならないこと」といった制約があります。こういった考え方が、「常識」という概念で私たちの心に刻まれています。
誰もが納得する考え方や行動を選択すれば、他人から非難される可能性はゼロに近いのですが、創造性や個人の強みを発揮する可能性も失われます。自分のことを自分自身でコントロールし高めていく“セルフガイダンス”では、常識的な義務感にとらわれず自由に発想することが非常に重要だと考えられています。
結果として社会に受け入れられない場合は、「やっぱり自分の考えは通用しなかったのか…」という気持ちになります。こうして常識の範囲で行動することが正当化されるのですが、義務感に縛られない自由かつオリジナリティのある発想が個人の魅力やヒット商品を生み出すのです。
相対性理論で有名なアルバート・アインシュタイン博士の言葉に、次のようなものがあります。
Common sense is the collection of prejudices acquired by age eighteen.
常識とは、18歳までに蓄えた偏見のコレクションである。
他人が想定する範囲で行動することがお互いの利益になる──。実際にはこういう場面が多いのでしょうが、少なくとも頭の中で枠を取り払ってみる分には安心・安全です。自由気ままに想像を膨らませてみることで、新しいアイデアが浮かんだり、義務として行っていることの重要性をあらためて認識するなど、いろいろな発見があるはずです。